せいいち先生とクロちゃんのDTMを斬る 第20回|歌ってみたの音量バランスってどうやるの?現場エンジニアが教えるずるいミックス方法

せいいち先生とクロちゃんのDTMを斬る 第20回|歌ってみたの音量バランスってどうやるの?現場エンジニアが教えるずるいミックス方法

「音量バランスってどうやって整えるんだろう」と悩んでいませんか?
実は歌ってみたの音量バランスはやることが少ないシンプルな工程です。
でも今回はそれだけじゃなく、せいいち先生が生徒にだけ教えている「ずるいミックス方法」も特別に公開してもらいました。

歌ってみたの音量バランスってどんな作業?

先生、音量バランスってどこから手をつければいいんですか?
歌ってみただとかなりやることが少なくなる感じだよ。
え、そんなにシンプルなんですか?
そうなんだよ。しょせんバランスだからね。
正解を求めず、かっこいいを求めてほしい。
ただ今日はそれだけじゃなく、みんなが知らないずるいミックス方法を教えるよ。
ずるいミックス方法!?聞きたいです!

ミックスの全体像についてはこちらも参考にどうぞ。

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第13回|ミックス師に依頼してもうまくいかない理由
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せいいち先生のずるいミックス方法

SpectralLayersがCubase Proに搭載されたときに思いついて、生徒にだけ教えている方法なんだよ。
Cubase Proがない人はステムスプリッターで検索すればいろいろ使えるものがあるから安心してね。
手順に沿って説明するね。
📋 せいいち先生のずるいミックス手順
  1. リファレンス曲(本家の曲など、目指したい完成形の曲)を準備する
  2. SpectralLayers(Cubase Pro付属)またはステムスプリッターで歌とカラオケに分離する
  3. リファレンスのカラオケトラックの音量に、自分の歌ってみたのカラオケの音量を合わせる
  4. リファレンスの歌トラックをセクションごと(Aメロ・Bメロ・サビなど)にカットする
  5. 自分の歌も同じようにセクションごとにカットする
  6. Cubaseの右側のメーターでリファレンスのセクションごとのラウドネス値を測定する
  7. 自分の対応するセクションにラウドネスノーマライザーをかけてラウドネス値を一致させる(1回目と2回目のサビは必ずしも同じではないので丁寧に測定する)
  8. オケと一緒に再生する
📖 用語解説:SpectralLayers・ステムスプリッター

SpectralLayers:Cubase Proに付属する音声分析・編集ツール。AIを使って楽曲から歌声や各楽器を分離できる。
ステムスプリッター:楽曲を歌・ドラム・ベースなどに分離できるツールの総称。無料のものも多数存在する。
ラウドネス値:人間の聴覚特性に合わせた音の大きさの指標。単純な音量とは異なり、聴こえ方に近い形で音量を測定できる。

これってつまり何をやっているんですか?
リファレンスのミックスを分析して、自分の歌に適用するということだよ。
プロのミックスを参考にするんじゃなくて、プロのミックスの数値をそのまま自分の歌に当てはめるんだ。
それは確かにずるい(笑)!再生したら完成ですか?
ここで違和感を感じた場合は音作りが間違っているんだよ。
音量が合っているのに違和感があるってどういう状態ですか?
音量が一緒なのに迫力がない、うっとうしいと感じる場合は音作りが間違っているんだ。
このやり方はバランスを完璧に合わせた状態でチェックするから、残った違和感は確実に音作りの問題だとわかる。
その場合はEQやコンプなど音作りの段階に戻る必要があるんだよ。
💡 現場の知恵|このやり方が「ずるい」理由

プロのミックスを「聴いて参考にする」のではなく「数値として読み取って適用する」のがこの方法のポイント。音量バランスを完璧に整えた状態でチェックできるため、残った違和感が音作りの問題なのかバランスの問題なのかをはっきり切り分けられる。問題の原因が特定しやすくなるという意味でも、非常に合理的な方法だ。

EQの使い方についてはこちらも合わせて読んでみてください。

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第16回|歌ってみたのボーカルEQってどうやるの?
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✅ この記事のまとめ
  • 歌ってみたの音量バランスはやることが少なくシンプル
  • 正解を求めず、かっこいいを求めることが大事
  • リファレンス曲をSpectralLayersで分離し、セクションごとのラウドネス値を自分の歌に適用する「ずるいミックス方法」がある
  • 1回目と2回目のサビは必ずしも同じラウドネス値ではないので丁寧に測定する
  • 再生して違和感があれば音作りの問題。EQやコンプの段階に戻る
  • バランスを完璧に合わせることで、問題の原因を音作りに絞り込める

プロのミックスを数値で読み取る。
この方法を一緒に実践してみましょう。やさしいDTM道場でお待ちしています。

やさしいDTM道場の門をたたく

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この記事を書いた人

せいいち先生
DTMは、まず手順。
センスや感覚は、その後でいい。
1人でも多くの人と、音楽の世界を歩きたい。
わからないことは何でも聞いてください。
現役30年のプロが、あなたに伴走します。

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