「オーディオインターフェースは高いものを買った方がいい音になりますか?」——生徒からよく受ける質問のひとつです。
現場歴30年のせいいち先生の答えは明快です。「YAMAHA URX22Cで十分。理由を説明するよ。」
今回はオーディオインターフェースの仕組みから、高いものとの本当の違いまで徹底的に聞きました。
- オーディオインターフェースについている機能とその役割
- レイテンシとは何か・どうすれば改善できるか
- デジタル音質を決めるサンプリングレートとビット解像度
- YAMAHA URX22Cで十分な理由
- 高いIFとの本当の違い
オーディオインターフェースについている機能
高いものと安いものって何が違うんですか?
まずオーディオインターフェースについている機能を順番に説明するね。
必ずついているものと、ついていたりついていなかったりするものがあるんだ。
AD変換はアナログ信号をデジタルに変換すること。
DA変換はデジタル信号をアナログに変換すること。
マイクなどから取り込んだアナログ信号をデジタルに変換してパソコンで処理し、処理したデジタル信号をアナログに変換してスピーカーやヘッドフォンから再生するという仕組みだよ。
続いて、ついていたりついていなかったりする機能を表でまとめるね。
| 機能 | 役割 | 初心者への必要度 |
|---|---|---|
| マイクプリアンプ | マイクの小さな信号をラインレベルに増幅する | 必須。これがないとマイクが使えない |
| ファンタム電源 | コンデンサーマイクに電源を供給する | SM58(ダイナミックマイク)を使う場合は不要 |
| ヘッドフォンアンプ | ヘッドフォンで十分な音量を得るために信号を増幅する | ヘッドフォン端子があれば大体搭載されている |
| デジタル入出力 | ADATやSPDIFで入出力を増やす | 初心者には不要 |
| DSP | 音処理に特化したチップ。パソコンの負荷を減らしレイテンシを改善する | 録音には必須 |
| ダイレクトモニタリング | マイクからの信号を分岐してパソコン処理前のモニター用信号を作る | 録音には必須 |
レイテンシって何ですか?
声→マイク→マイクレベル信号変換→マイクプリ→ラインレベル変換→AD変換→パソコンに記録・リバーブなどの処理→DA変換→ヘッドフォンから聞こえる、という処理をしているんだよ。
これだけの処理があるから必ず遅れが発生するんだ。
声を出した瞬間とヘッドフォンで聞こえる瞬間のズレのことをレイテンシというんだよ。
DSPがあるとそのズレが小さくなるんですか?
あれはリアルタイムで音が返ってくるよね?
DSPで処理すると同じように遅延が少なくエフェクトがかかるんだ。
さらにダイレクトモニタリングはマイクからの信号を分岐して、パソコンを通す前のモニター用信号を作ることで、さらに遅延を少なくできるんだよ。
マイクが変換した電気信号(マイクレベル)はとても小さい。
これをパソコンで処理できる大きな信号(ラインレベル)に数十倍増幅するのがマイクプリアンプの仕事。
Neve・API・SSLなどが有名な単体機器として販売されている。IFに搭載されているものもある。
レイテンシについて詳しく知りたい方はこちらも参考にどうぞ。
デジタル音質を決める2つの要素
デジタルの音質はサンプリングレートとビット解像度という2つの数値で決まるんだよ。
CDは44.1kHz・16bitで、1秒間に44,100回音を分析して16bitで変換しているんだ。
ハイレゾはその数値が大きくて、標準で96kHz・24bit、高精細になると192kHz・24bitになるよ。
| 規格 | サンプリングレート / ビット解像度 | 特徴 |
|---|---|---|
| CD | 44.1kHz / 16bit | 一般的な音楽CD |
| ハイレゾ標準 | 96kHz / 24bit | CDを超える高音質 |
| 高精細ハイレゾ | 192kHz / 24bit | 最高峰の音質規格 |
| YAMAHA URX22C | 32bit / 192kHz | 高精細ハイレゾを超えるスペック |
音質のスペックという観点ではURX22Cは十分すぎるくらいなんだ。
YAMAHA URX22Cで十分な理由
AD・DA変換、マイクプリアンプ、ヘッドフォンアンプ、DSP、ダイレクトモニタリング。
デジタル入出力だけないけど、初心者には不要だからね。
音質スペックは32bit・192kHzでハイレゾを超えている。
これで十分じゃない?
この点においてはURX22Cも高価なIFも必要十分なんだ。
「IFを変えたら音がよくなる」という話はマイクプリやクロックなどの付属機能にフォーカスした話なんだよ。
✅ AD・DA変換(必須)
✅ マイクプリアンプ(必須)
✅ ヘッドフォンアンプ(必須)
✅ DSP(録音に必須)
✅ ダイレクトモニタリング(録音に必須)
✅ 32bit / 192kHz対応(ハイレゾを超えるスペック)
❌ デジタル入出力(初心者には不要)
マイク選びについてはこちらも合わせて読んでみてください。
高いIFとの本当の違い
価格は約40万円くらいするんだ。
どこがそんなに違うんですか?
音質そのものに払っているというよりは、付加機能に払っているという感じだね。
APOLLO X6は塊感があるまとまった音でapolloっぽいなって感じ。
URX22Cは少し硬さはあるものの広がりがあって無色透明な感じなんだ。
URX22Cでいい作品を作っている人はたくさんいるよ。
AD・DAの音質:どちらも必要十分。本質的な差はない
価格差の正体:DSPの性能・unisonプリアンプ・UADプラグインなどの付加機能
せいいち先生の本音:音の好みはURX22Cの方が好きかもしれないと感じることもある
機材全体の選び方が気になる方はこちらもどうぞ。
- オーディオインターフェースに必ずついているのはAD変換・DA変換
- 歌ってみたに必要な機能:マイクプリ・ヘッドフォンアンプ・DSP・ダイレクトモニタリング
- SM58(ダイナミックマイク)を使う場合、ファンタム電源は不要
- レイテンシとは声を出してからヘッドフォンで聞こえるまでのズレのこと。DSPとダイレクトモニタリングで改善できる
- デジタル音質はサンプリングレートとビット解像度で決まる。URX22Cは32bit・192kHz対応でハイレゾを超えるスペック
- IFの本質的な機能はAD・DA変換。この点においてURX22Cも高価なIFも必要十分
- 高いIFとの価格差はDSP・プリアンプ・付属プラグインなどの付加機能にある
- 道具を揃えただけでいい音が手に入るほど甘い世界ではない。URX22Cでいい作品を作っている人はたくさんいる
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