せいいち先生とクロちゃんのDTMを斬る 第1回|歌ってみたを始めるのに必要な機材って何?

せいいち先生とクロちゃんのDTMを斬る 第1回|歌ってみたを始めるのに必要な機材って何?

「歌ってみたを始めたい!でもDAWやマイクなど必要な機材が多くて何を揃えればいいかわからない…」——そんな初心者の悩みに答える記事です。
現場歴30年のせいいち先生に、歌ってみたを本格的に始めるのに必要な機材をすべて教えてもらいました。
価格はすべて2026年3月22日現在・サウンドハウス参照です。

この記事でわかること
  • 歌ってみたはスマホ一個でもできるの?
  • 本格的に始めるのに必要な機材一覧
  • 各機材のおすすめと選ぶ理由(2026年3月22日現在・サウンドハウス参照価格)
  • 予算を抑えたい人への中古活用術

歌ってみたとは何か。スマホだけでできるのか。

せいいち先生!最近YouTubeで歌ってみた動画をよく見るんですけど、あれってどうやってるんですか?
まずクロちゃんは「歌ってみた」って何をすることだと思う?
えーっと…好きな曲のカラオケ音源に自分の歌声を乗せて、YouTubeとかニコニコ動画に投稿することですか?
そうだね。
その内容を実現するだけならスマホ一個でもできるんだよ。
えっ、スマホ一個でできるんですか!?
音質とか大丈夫なんですか?
iPhoneのマイクは高性能だから音質という面では問題ないよ。
ただスマホのマイクにはダイナミクス、つまり声の抑揚が自動で抑えられる補正がかかっているんだ。
それと編集や作り込みをしたくなったときに限界が来るんだよ。
スマホって勝手にきれいに整えてくれちゃうんですね!
じゃあスマホで始めて、編集したくなったときに機材を揃えればいいですか?
実はスマホでやるのは大変なんだよ。
DAWを使った方がはるかに楽で仕上がりもよいんだ。
ピッチ補正や声の質感を変えるといった編集作業が、DAWなら直感的にできるからね。
スマホではそういった本格的な加工がしにくいんだよ。
📖 用語解説:DAW(ダウ)とは

デジタルオーディオワークステーションの略で、パソコンで録音・編集・加工がすべてできるソフトのことです。
「ダウ」または「ディーエーダブリュー」と呼ばれます。最近はAIとの連携も増えてきています。

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本格的に始めるために必要な機材と、それぞれの役割

じゃあ本格的にやりたいと思ったら何を揃えればいいんですか?
まずはDAW、次にパソコン、オーディオインターフェース、ヘッドフォン、マイク。
それとマイクケーブル、USBケーブル、マイクスタンド、ポップガードも必要だよ。
結構いろいろありますね!それぞれ何のために必要なんですか?
それぞれ役割が違うから、まず表でまとめるね。
機材 役割
DAW 録音・編集・加工を行うソフト
パソコン DAWを動かすためのもの
オーディオインターフェース マイクからの信号をデジタルに変換してパソコンで処理した後、スピーカーにアナログ信号を渡す装置
マイク 声を電気信号に変換する装置
ヘッドフォン 音を確認するためのもの
マイクケーブル マイクとオーディオインターフェースをつなぐもの
USBケーブル パソコンとオーディオインターフェースをつなぐもの
マイクスタンド マイクを固定するもの
ポップガード 録音時の「ぱ」「ぼ」などの破裂音を防ぐもの
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おすすめ機材と選ぶ理由——現場歴30年の一択リスト

価格はすべて2026年3月22日現在・サウンドハウス参照です。

機材 おすすめ 価格(税込) 選ぶ理由
DAW Steinberg Cubase Pro 15 ¥64,800
※セール時40,000円台〜
最初からProが結果コスパ最強。1ヶ月無料体験版あり。年2回(春・秋)セールあり。
パソコン Windows PC スペックによる 歌ってみただけ:RAM 8GB・SSD 512GB以上。作曲もやりたい:RAM 16GB・SSD 2TB推奨。
オーディオインターフェース YAMAHA URX22C ¥26,000 安くて高音質。Cubase AI付属。
ヘッドフォン SONY MDR-CD900ST ¥19,800 業界標準。録音からミックスまで一台でこなせる。断線しても修理・リケーブル可。
マイク SHURE SM58-LCE ¥15,450 安い・ノイズを拾いにくい・ナチュラルコンプの感覚がつかみやすい。せいいち先生が約30年使用。
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第6回|マイクの誤解を斬る。コンデンサー一択は本当か?
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📖 用語解説:ナチュラルコンプとサチュレーション

SM58はダイナミックマイクのため、大きな声を入れると自然に音が圧縮される特性がある(ナチュラルコンプ)。
さらに入力が過大になると、倍音が乗ったりざらついたりするアナログ機材特有の現象が起きる。これをサチュレーションという。
ギター本体のボリュームを上げると音が歪んでいく現象に似ていて、良いか悪いかは使い方次第。
SM58はこの特性を歌い方でコントロールできるのが面白いところで、あまり語られていないポイントでもある。
試しにマイクに口を近づけて大きな声を出してみると、意外と簡単に歪みを体感できるよ。

なんで安いDAWじゃダメなんですか?
無料版とか安い版とかないんですか?
安い版は機能が制限されているから、本格的にやりたくなったときに結局Proへ乗り換えることになるんだよ。
そのときに学習コストも導入コストも二重にかかってしまう。
最初からProを買う方が結果的にコスパ最強なんだ。
まず1ヶ月無料の体験版で試してみて、春か秋のセールで買うのがおすすめだよ。
マイクスタンドも安いのがたくさんあるのに、表に書いてあったK&Mというものじゃないといけないんですか?
マイクスタンドはノイズの温床になることがあるんだよ。
声の振動に合わせてパイプの内部が共振して、低めのノイズとして録音されてしまうんだ。
安いスタンドで起きやすい傾向があるね。
録音中に違和感があっても、後から気づくことが多い。
特にコンプ処理をした後に持ち上がって発見されることが多いよ。
後から気づくって怖いですね…。
どうすれば防げるんですか?
重いスタンドを選ぶことだよ。
重さがあると共振しにくいんだ。
K&MとTAMAのスタンドでは発生しなかったよ。
ちなみに私はTAMAのブームスタンドを愛用していて、音が濁らないから大好きなんだ。
全部のスタンドを試したわけじゃないけど、まず重さを基準に選んでみてほしいね。
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📖 用語解説:コンプ(コンプレッサー)

音の大きい部分を自動で抑えて、音量を均一に整えるエフェクト。
歌ってみたのミックスでよく使われる。コンプをかけると小さな音が持ち上がるため、ノイズも一緒に目立ってしまうことがある。

小物類

機材 おすすめ 価格(税込) 選ぶ理由
マイクケーブル CANARE EC03-B BLACK(3m) ¥2,580 業界標準モデル。宅録なら3mで十分。長すぎるとロスの原因になる。
マイクスタンド K&M 21020B ¥5,500 ドイツ製・業界標準。重さがあり共振しにくい。安いスタンドはノイズの原因になることがある。
ポップガード CLASSIC PRO PG11 ¥1,980 クランプで取り付けるだけ。ここは安いもので十分。
USBケーブル YAMAHA URX22Cに付属 付属品 別途購入不要。
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💡 機材合計の目安(パソコン代除く)

Cubase Pro 15:¥64,800 / YAMAHA URX22C:¥26,000 / SONY MDR-CD900ST:¥19,800
SHURE SM58-LCE:¥15,450 / CANARE EC03-B:¥2,580 / K&M 21020B:¥5,500 / CLASSIC PRO PG11:¥1,980
→ パソコン代を除いても約136,110円の投資になります。
それだけの価値がある機材たちです。

予算を抑えたい人への中古活用術

ちなみに中古でも全然いいよ。
特にパソコン、オーディオインターフェース、マイク、ヘッドフォンは中古の選択肢が十分にあるよ。
どこで探せばいいですか?
パソコンはじゃんぱらなどの中古PC専門店がおすすめだよ。
オーディオインターフェース・マイク・ヘッドフォンはRock oN Companyや宮地楽器などの楽器専門店での中古選択も十分ありだよ。
ただCubase Proはライセンスの関係で新品を買う必要があるよ。
💡 中古で探すならここ

パソコン:じゃんぱらなどの中古PC専門店

オーディオインターフェース・マイク・ヘッドフォン:Rock oN Company・宮地楽器などの楽器専門店

Cubase Pro:ライセンスの関係で新品を購入すること

💡 お手軽スタートパックという選択肢も

「UR22C Recording Pack」というオーディオインターフェース・コンデンサーマイク・ヘッドフォン・Cubase AIがセットになったパッケージも現在販売されています。
せいいち先生のおすすめとはマイク・ヘッドフォン・DAWが異なります。またマイクスタンドとポップガードは付属しないため別途購入が必要です。
とにかく今日から始めたいという方にはこちらの選択肢もあります。

✅ この記事のまとめ
  • 歌ってみたはスマホでもできるが、DAWを使った方がはるかに楽で仕上がりもよい
  • DAWはCubase Pro一択。無料版から乗り換えるコストを考えると最初からProが結果コスパ最強
  • パソコンはWindowsがコスパよし。歌ってみただけならRAM 8GB・SSD 512GBでOK
  • オーディオインターフェースはYAMAHA URX22C、ヘッドフォンはSONY MDR-CD900ST、マイクはSHURE SM58が一択
  • 機材合計はパソコン代を除いても約136,110円。かなりの投資になる
  • マイクケーブルはCANARE、マイクスタンドはK&M以上を選ぶこと(安いスタンドはノイズの原因になる)、ポップガードはCLASSIC PROで十分
  • パソコン・オーディオインターフェース・マイク・ヘッドフォンは中古も全然あり

機材選びで迷ったら、せいいち先生に直接相談できます。
DTMや歌ってみたのことなら何でも何回でも相談できます。独学で迷い続けるより、相談した方がずっと効率的ですよ。

やさしいDTM道場の門をたたく

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この記事を書いた人

せいいち先生
DTMは、まず手順。
センスや感覚は、その後でいい。
1人でも多くの人と、音楽の世界を歩きたい。
わからないことは何でも聞いてください。
現役30年のプロが、あなたに伴走します。

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