せいいち先生とクロちゃんのDTMを斬る 第13回|ミックス師に依頼してもうまくいかない理由

せいいち先生とクロちゃんのDTMを斬る 第13回|ミックス師に依頼してもうまくいかない理由

「ミックス師に頼んだのに全然違う…」——クロちゃんも同じ経験をしました。
せいいち先生に聞いてみたら、意外な答えが返ってきました。

よくある構図

せいいち先生!ミックス師にミックスとエディットを頼んだのに全然違う仕上がりになっちゃいました…なんでですか?
あるあるだね。
どんな依頼をしているの?
「いい感じにしてください」って送りました。
原因はそれだね。
「いい感じ」って人それぞれ解釈が違う。
プロの現場では「何分何秒のあという言葉のピッチが微妙に上ずっているから適正値にしてください」というような厳格な指示が届くんだよ。

うまくいかない本当の理由

でも正確な情報って…どう伝えればいいかわからないです〜!
正確な情報を伝えられないのは当然だよ。
知らないから依頼しているわけだからね。
でもその状態で依頼を続けることは費用の無駄になってしまう。
もう一つ大事なことがあって、正確なピッチとタイミングだけが正解じゃないんだ。
少しずれたピッチ、わずかに遅れたタイミング——それがその歌い手の「味」になることがある。
ミックス師はそれを均一に修正してしまうことがある。
え、じゃあ味かどうかってどうやって判断するんですか?
それはクロちゃん自身にしかわからない。
だから自分の歌にしっかり向き合うことが一番大事なんだよ。
気に入らない箇所を明確にすることが本当の上達の道筋だ。

自分の歌に向き合う方法についてはこちらで詳しく解説しています。

📄 関連記事を参照
第12回|歌ってみた上達の近道|孫子に学ぶ録音術
👉 続きを読む

3つの解決策とその現実

じゃあじゃあ、どうすればよかったんですか?
方法は3つあるよ。
まず①正確な情報を伝えること。
「何分何秒のどの音がどう気になるか」を具体的に伝えることで意図が伝わる。
ただしここまで言語化できるなら、ほぼ自分でできるレベルに達しているけどね。
②ミックス師と一緒にリアルタイムで作業する方法もある。
ただし拘束時間が長くなるから費用が増大する。現実的とは言いにくいね。
一番確実なのは③自分でミックスできるようになること。
依頼しなくてもいい状態になれば、費用も発生しないし自分の意図が100%反映できる。
でも自分でミックスするって難しそう…クロちゃんには無理かも〜。
でも「ミックス師の仕上がりが思ってたのと違う」と感じた時、クロちゃんは判断しているよね?
自分でミックスすることは「判断できない」と言いながら、ミックス師の作品は判断できている。
この矛盾に気づいていない人が非常に多いんだよ。
あ…確かに!それって判断力はもうあるってことですか?
そう。
自分でやってもうまくいかない=誰がやっても同じということ。
ミックス師に依頼しても、ミックスは魔法じゃないから同じなんだ。
ミックス師のほうがクロちゃんよりも経験が多いだけでね。
少し整理してみようか。
クロちゃんの強み:自分の歌だから完成イメージがある(正解の地図を持っている)
クロちゃんの弱み:技術力が低い
ミックス師の強み:技術力がある
ミックス師の弱み:正解の地図を持っていない
どちらがうまくいく可能性が高いかわかるかな?
…クロちゃんの方ですか?!
間違いなくクロちゃんの方が有利なんだよ。
あとは手順を知ることで前提ラインに立てる。
そこから自分の経験と引き出しを育てていくことが本当の上達なんだ。
💡 ミックス師 vs 自分:どちらが有利か

クロちゃんの強み:自分の歌だから完成イメージがある(正解の地図を持っている)
クロちゃんの弱み:技術力が低い

ミックス師の強み:技術力がある
ミックス師の弱み:正解の地図を持っていない

→ 技術さえ身につければ、自分でやる方が圧倒的に有利

ミックスの基本についてはこちらも参考にどうぞ。

📄 関連記事を参照
第20回|歌ってみたの音量バランスってどうやるの?現場エンジニアが教えるずるいミックス方法
👉 続きを読む

依頼するより自走する方が合理的な理由

でも自分で覚えるって時間かかりそう〜。
ミックス師に頼んだ方が早くないですか?
ミックス師への依頼は1曲約5,000円。
6曲で30,000円になる。
でも6曲依頼しても、7曲目もまた依頼が必要だよね。
歌ってみた完全攻略コース(30,000円)なら録音・ミックス・マスタリングまで全部自分でできるようになる。
以降は何曲でも自走できる。
不毛なやり取りをする時間を、学ぶ時間に変えてみてほしいんだ。
せいいち先生、それちょっと宣伝くさくないですか〜(笑)
…そうだね、少し宣伝くさくなってしまったね(笑)。
でも本当のことだから堂々と言うよ。
でもでも、うまくなったらミックス師に頼むこともありますか?
もちろん。
自分でできるようになった後、時短とスキルアップのために依頼するのは合理的な選択だよ。
他人のミックスを見るのは勉強になるしね。
手順を知った上での依頼は正確な指示ができるから、仕上がりのズレも起きにくくなる。
それとね、ずるいミックス上達の方法があるんだけど、今どきのハイテクがもたらした恩恵でね。
でも今のクロちゃんに教えても成長を阻害してしまうから、前提ラインに立った時に教えるね。
え、気になる〜!早く前提ラインに立たなきゃ!

エディットの基本についてはこちらも合わせて読んでみてください。

📄 関連記事を参照
第14回|歌ってみたのエディットとは何か
👉 続きを読む
✅ この記事のまとめ
  • 「いい感じに」という依頼では意図が伝わらない。プロの現場では「何分何秒のどの音がどうおかしいか」を具体的に伝える
  • 少しずれたピッチや遅れたタイミングが「味」になることもある。それを判断できるのは自分だけ
  • 解決策は①正確な情報を伝える②リアルタイムで一緒に作業する③自分でミックスできるようになる——の3つ
  • 「自分では判断できない」と言いながらミックス師の仕上がりを判断している矛盾に気づくことが大事
  • 自分の強みは正解の地図(完成イメージ)を持っていること。技術さえ身につければ自分でやる方が圧倒的に有利
  • 自分でできるようになった後で依頼するのは合理的。正確な指示ができるから仕上がりのズレも減る

ミックスのこと、依頼のこと、何でも聞いてください。
やさしいDTM道場で気軽に相談できます。

やさしいDTM道場の門をたたく

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

せいいち先生
DTMは、まず手順。
センスや感覚は、その後でいい。
1人でも多くの人と、音楽の世界を歩きたい。
わからないことは何でも聞いてください。
現役30年のプロが、あなたに伴走します。

目次