「ハモリを自分で作れたらいいな」と思ったことはありませんか?
実はCubaseには、コード進行を解析してハモリを自動生成してくれる機能があります。
コードの知識がなくても、コード進行を調べながら進められるので大丈夫。今回はせいいち先生に、その手順を一から教えてもらいました。
ハモリって何ですか?
主旋律に対して違うメロディを重ねること、または別の人が歌った同じメロディを重ねること、この両方を指してハモリと呼んでいるんだ。
正確には、違うメロディを重ねるのが「ハーモニー」、同じメロディを重ねるのが「ユニゾン」。
でも日本では両方を「ハモリ」とくくって呼ぶことが多いよ。
ユニゾン:別の人が同じメロディを重ねること。
日本ではどちらも「ハモリ」とまとめて呼ばれることが多い。
CubaseでハモリをAI自動生成する手順
Cubaseの機能を使って自動生成する方法を教えるよ。
手順通りに進めていこう。
またオーディオイベントからコードイベントを作成する機能はCubase 12以降が必要です。
つまりこの記事の手順を全て行うには、Cubase ProまたはArtistのバージョン12以降が必要です。
ピッチが乱れたままハモリを作ると、音が濁ってしまいます。VariAudioでのピッチ修正がまだの方は先に第24回の記事を参照してください。
📋 全体の流れ
STEP1:ハモリをつけたい部分のイベントを選択する
まずコード解析の対象となるインスト(カラオケ音源)のオーディオイベントを選びます。曲全体ではなく、ハモリをつけたい部分だけに絞るのがポイントです。
歌が混ざっていてもコード解析はできるんだけど、その時点でカラオケ音源があるわけだから、わざわざコードを解析して作る必要がないよね。
だからインストのイベントで解析するんだよ。
曲全体をやるのではなく、サビだけとか、ここだけ、って感じで目星をつけた部分だけ選択するのが効率的だよ。
だから最初から全体をやろうとせず、ハモリを入れたいところだけに絞るのが賢いやり方だよ。
STEP2:コードトラックを自動生成する
選択したイベントを右クリックして「コードイベントを作成」を選ぶだけで、CubaseのAIがコードを解析してコードトラックを自動生成します。
するとCubaseがAIでコードを解析して、コードトラックを自動で作ってくれるんだ。
ただAIだから100%正確ではないんだ。
後でコードの修正作業が必要になるよ。
STEP3:コードをモニターするための音源を設定する
AIが解析したコードが正しいか耳で確認するため、HALion Sonicをコードトラックに接続します。
①トラックリストの空白部分を右クリック→「インストゥルメントトラックを追加」を選択。
ダイアログが開いたら「Steinberg」→「Synth」→「HALion Sonic」を選んでトラックを追加する。
HALion SonicはCubase ProおよびArtistに付属している音源だよ。
文章にすると難しく見えるけど、慣れれば無意識でできるよ。
基本操作がわからない場合は道場で気軽に聞いてね。
②コードトラックのトラックリスト上にある「モニターしているトラックを。」の▼をクリックする。
③表示されたトラック名の一覧から、①で立ち上げたHALion Sonicのトラック名を選択する。
これで再生するとコードがHALion Sonicのピアノ音で鳴るようになるから、耳で確認しながら修正できるようになるよ。
STEP4:タイミングのずれを修正する
AIの解析はタイミングがずれていることがあります。クオンタイズを使えば一気に修正できます。
まずSTEP4ではタイミングのずれを直していこう。
コードの切り替わりタイミングがずれていることがあるから、選択ツールのままコードイベントをドラッグしてずらして合わせる。
全体を一気に直したいときは、①トラックリスト上の「スケールを表示」がONになっている場合はOFFにしてからコードイベントを全選択する→②プロジェクト画面上部のクオンタイズ設定を「1/2」に変更する→③キーボードの「Q」を押す、この順でやると時短になるよ。
クオンタイズ後にコードイベントが重なることがあるけど、ドラッグでずらすか、いらないものを消せば解決するよ。
STEP5:コードの間違いを修正する
AIが間違ったコードを当てはめることがあります。コード進行を参考サイトで確認しながら修正していきます。
AIが間違ったコードを当てはめてしまうことがあるから、U-フレットで確認しながら修正していくよ。
このとき注意してほしいのが、U-フレットは原曲のキーと違うキーで掲載されているものがあること。
キーを合わせる機能がU-フレット内にあるから、必ず原曲と同じキーに合わせてから確認してね。
キーの合わせ方はU-フレットのサイト上で確認してください。
コードトラックの「スケールを表示」をONにするとキーが表示されるよ。
確認したら「スケールを表示」はOFFに戻してから作業を続けてね。
左から順に、ルート音(CやDなど)→コードタイプ(majやminなど)→テンション(7やb5など)→ベース音の順にクリックして選んでいくだけ。
U-フレットで確認したコードと同じになるように選んでね。
U-フレットに載っていない曲や、コードが合わない場合は他のコード進行紹介サイトを探してみてね。
それでも解決しない場合はコード理論を学ぶ必要があるよ。
コードの正解がわかるようになるには、コード理論の知識が必要なんだ。
僕は、ピアノ教室で1年かけて習うようなコード理論を1時間で習得するメソッドを持っているよ。
これはレッスンで教えているよ。
「コードの正解がわからない」という壁を感じたら、
やさしいDTM道場に入門してみてください。
テキストで答えられる内容は無料で相談できます。
STEP6:ハーモニーボイスを生成する
コードの修正が完了したら、いよいよハモリを生成します。ボーカルのイベントを選択してメニューから実行するだけです。
ピッチ修正が済んでいれば、いよいよハモリを生成できるよ。
STEP1でコード解析した範囲と同じ部分のボーカルイベントを選択して、画面上部のメニューバーから「Audio」→「ハーモニーボイスを生成」を選ぶよ。
コード解析はインストに対して行ったけど、ハモリはボーカルに対して作るものだから、ここではボーカルのイベントを選択するよ。
ダイアログが開くから、ボイス数を設定してOKを押すだけ。
いらないと思ったトラックは後で消せばいいから、多めに作っておいて選ぶほうが効率的だよ。
デフォルトは80%軽減の設定になっているよ。
弱めないとソウルフルな黒人コーラスみたいになるんだ(笑)
ちょっとうっとうしくなるから、デフォルトのままが無難だよ。
慣れてきたらいろいろ試してみると成長につながるよ。
ただしそのままでは音量が大きすぎて使えないから、音量調整とパンを振る作業が必要になるよ。
そこはミックスの範囲になるね。
生成されたハモリはVariAudioで調整することもできるよ。
ただし音程の判断力がないと、かえっておかしくなることもある。
まずはこのまま使ってみて、物足りなくなったら道場で相談してね。
このやり方の限界と、その先へ
ただ、独創的なハモリ——「ここはあえてこう動かしたい」みたいな自分だけのアイデアは、この方法では自動では作れないんだ。
僕はピアノ教室で1年かけて習うようなコード理論を1時間で習得するメソッドを持っているよ。
これはレッスンで教えているから、興味があればレッスンで話しましょう。
📝 今回のまとめ
- ハモリとは主旋律にメロディを重ねること。正確にはハーモニー(違う旋律)とユニゾン(同じ旋律)があるが、日本ではまとめてハモリと呼ぶ
- Cubase ProとArtistには、コード進行を解析してハモリを自動生成する「ハーモニーボイスを生成」機能がある
- 手順:①ハモリをつけたい部分のイベントを選択→②コードトラックを自動生成→③HALion Sonicでモニター設定→④タイミングのずれを修正→⑤コードの間違いを修正→⑥ハーモニーボイスを生成
- 最重要はSTEP4とSTEP5のコード修正。タイミングのずれとコードの間違いの2種類を修正する
- ハモリ生成前にメインボーカルのピッチが正確であることが前提条件
- コード進行に沿ったハモリは作れるが、独創的なハモリを作るには音楽理論と耳の訓練が必要
ハモリ作りの前段階、ピッチ修正の詳しいやり方はこちら。
ハモリを作れるようになったら、次は「自分らしいハモリ」を目指してみませんか。
音楽理論が気になったら、やさしいDTM道場で気軽に質問してください。

