「歌ってみたのミックスでEQって何をすればいいのかわからない」——そんな悩みを持つ方は多いと思います。
でも今回、せいいち先生にEQの話を聞いていたら、ちょっと驚くことを言われました。
「何でもできるEQって、本当に必要なの?」
- 何でもできるEQは本当に必要か(現場30年の答え)
- EQとは何か(現場エンジニアの本質的な定義)
- 歌声の帯域(ロー・ミドル・ハイ)の役割と調整方法
- 調整の単位「dB」で知っておくべきこと
- 初心者におすすめの無料EQプラグイン
何でもできるEQは本当に必要か?
いろんな種類があってよくわからなくて…
昔はアナログコンソールだけで録音からミックス、マスタリングまで全部やっていたんだよ。
その音がしょぼいと思う?
今のDTMのレッスンでも「何kHzをどうする」という話をする人が多いけど、いい音になっていないケースがたくさんある。
何でもできるEQって、本当に必要かな?
大事なのは「あるもので工夫すること」。
触れることが目的ではなくて、いい音を作ることが目的だからね。
昔のプロはアナログコンソールだけで名盤を作っていた。
つまり「触れる場所が少なくてもいい音は十分に作れる」。
EQは手段であって目的ではない。目的はいい音を作ることです。
そもそもEQとは何か——「音質調整」ではなく「帯域ごとの音量調整」
音楽やってない人にもわかるように教えてもらえますか?
「帯域(音の高さ)ごとの音量調整」と教えているよ。
「音質調整」という言葉だと難しく考えてしまいがちだからね。
より本質に近い教え方をしているよ。
音には「低い音」「高い音」など、音の高さによってさまざまな成分が含まれています。この音の高さの範囲のことを「帯域」または「周波数帯」と呼びます。EQはこの帯域ごとに音量を上げたり下げたりするツールです。
歌声の帯域はどう分けて考えるの?各帯域の役割
YAMAHAのコンソールなんかもこの設計思想に近いから、なじみがある人も多いと思う。
歌声に限っていうと、ローは邪魔な成分のことが多いね。
ミドルは声の太さや芯に関わる帯域なんだけど、実際はほとんど触らないよ。
ハイはきらびやかさだと僕は思っているよ。
ローは邪魔な成分が多いとのことですが、具体的にどんな感じですか?
ロー:邪魔な成分が多い(「ぼふ」「もわん」という感じ)→メインの作業
ミドル:声の太さや芯に関わる帯域。実際はほとんど触らない
ハイ:きらびやかさ→メインの作業
ボーカルEQの調整方法——順番と各帯域のやり方
せいいち先生は「ロー→ハイ→ミドル」の順で触ることが多いとのこと(「習慣だね」とのことでした)。実質的なメインの作業はローとハイで、ミドルはほとんど触らないというのがポイントです。それぞれの調整方法を詳しく聞きました。
①ロー——「ぼふ・もわん」をハイパスで取り除く
思いっきりかけて徐々に減らしていくやり方がわかりやすいよ。
「おいしい」と思ったところが正解だよ。
最初から正解を求めるからいつまでたっても上達しないんだよ。
失敗を恐れず経験を積むことが大事だね。
EQの機能のひとつで、低音を削る効果があります。「ハイパス(High Pass)=高い音を通す=低い音をカットする」という意味で、「ローカット」とも呼ばれます。思いっきりかけてから徐々に戻すのが、ポイントを見つけやすいやり方です。
②ハイ——耳に痛くないか、こもっていないかを確認する
使っているプラグインによっても挙動が違うので、どんどん試して癖をつかんでほしいね。
③ミドル——声の太さや芯に関わるが、ほとんど触らない
まずはローとハイをしっかり整えることの方が大事だよ。
あるもので工夫する。触らなくてもいいものはたくさんあるんだよ。
正解を探しすぎて動けなくなるのが一番よくないパターン。どの帯域も「いいな」と思ったところが自分の正解です。まず自分の耳を信じてどんどん触ってみることが上達の近道です。
コンプレッサーとEQの組み合わせについてはこちらも参考にどうぞ。
調整幅の目安——「dB(デシベル)」で知っておくべきこと
EQの調整の単位が「dB(デシベル)」というのは知っているかな?
まず重要なのが、6dBで音量は2倍になるということなんだ。
試したりポイントを探す段階では極端に上げたり下げたりするけど、実際の調整で帯域の音が倍も違ったらどうなるか想像できるよね?
じゃあ実際はどのくらいの幅で調整するんですか?
やりたいようにやればいいけど、やりすぎは破綻のもとだよ。
音量を表す単位です。EQでは帯域ごとの音量をdBで調整します。重要なポイントとして、6dBで音量が約2倍になります。ポイントを探すときは極端に動かしてOKですが、実際の調整は控えめにするのが基本です。数字の目安より「耳で判断すること」がせいいち先生の考え方です。
EQの種類——シンプルなものほどいい理由
まずは「グライコ」。決まった帯域を上げ下げするだけのもので、8バンドだと8つの帯域が触れるよ。
次に「パライコ」なんだけど、パライコにはおすすめとそうでないものがあるんだ。
自由度が少ない代わりに迷わないから本当におすすめだよ。
逆におすすめでないのは何でも設定できるタイプ。
自由度が高すぎて逆に難しいんだよね。
さっきの「触れる場所が少なくてもいい音は作れる」という話とつながりますね!
あるもので工夫する。それだけだよ。
グライコ(グラフィックイコライザー):あらかじめ決まった帯域のスライダーを上げ下げするタイプ。直感的でわかりやすい。
パライコ(パラメトリックイコライザー):帯域や幅などを自分で設定できるタイプ。音楽制作でよく使われる。
せいいち先生のおすすめは、設定できる項目が少ないシンプルなパライコ。自由度が低い分だけ迷わずに触れる。
初心者におすすめのEQプラグイン——無料で使えるNoiseAsh Backs EQ
今は無料で手に入るんだけど、いつまで無料かはわからないから早めに入手しておくといいよ。
操作が簡単で効果がわかりやすい。
アナログ機材風でつまみが少ないから、ぐりぐり触ってもすぐに戻せるよ。
DAW付属のEQはいじれるところが多すぎて迷いやすいからね。
まずは怖がらずにどんどん触って耳を鍛えることが大事だよ。
シンプルなものでどんどん触った方が早く上達するよ。
① 「Audio Plugin Deals」のページを開く
② 「Login or Register」から無料アカウントを作成する
③ 「ADD TO CART」→購入手続き($0)を進める
④ ダウンロードリンクが届くのでインストールして完了
※ NoiseAshのサイトでの認証が必要になる場合があります
リバーブの使い方についてはこちらも合わせて読んでみてください。
- 触れる場所が少なくてもいい音は十分に作れる。昔のプロはアナログコンソールだけで名盤を作っていた
- EQとは「帯域(周波数帯)ごとの音量調整」。音質調整ではなく音量調整と覚えよう
- 歌声の帯域はロー(邪魔な成分)・ミドル(声の太さや芯・ほとんど触らない)・ハイ(きらびやかさ)の3つ
- 調整の順番はロー→ハイ→ミドル(習慣)。実質的なメインはローとハイ
- 6dBで音量が2倍になる。数字より耳で判断することが大事
- 初心者はシンプルなNoiseAsh Backs EQ(無料)から始めよう
- EQは手段。目的はいい音を作ること
「もっと詳しく聞いてみたい」「自分の歌に使ってみたい」という方は、
やさしいDTM道場で気軽に相談できます。

