せいいち先生とクロちゃんのDTMを斬る 第5回|用途に応じたヘッドフォンの選び方

せいいち先生とクロちゃんのDTMを斬る 第5回|用途に応じたヘッドフォンの選び方

「ヘッドフォンは1本あればいい」と思っていませんか?
実は録音用とミックス確認用では求められる性能がまったく異なります。
現場歴30年のせいいち先生に、用途別のヘッドフォン選びを教えてもらいました。

この記事でわかること
  • ヘッドフォンが絶対に必要な場面はどこか
  • 録音用と確認用の違い
  • 密閉型と開放型の使い分け
  • MDR-CD900STがおすすめな理由
  • せいいち先生の実際のモニター環境
  • 次のステップで何を買えばいいか

ヘッドフォンが絶対に必要な場面

歌ってみたをやるときってヘッドフォンはどんな場面で使うんですか?
場面を整理するね。
録音・録音の確認・エディット・ミックス・マスタリング・最終確認という流れがあるんだけど、この中で絶対にヘッドフォンじゃないと作業できないものがあるよ。
わかるかな?
録音ですか?スピーカーから音を出しながら録音するとマイクに入ってしまうから?
その通り!
だから録音にはヘッドフォンが必須なんだよ。
それも密閉型のものが必要で、開放型だとヘッドフォンから漏れた音がマイクに入ってしまうからだよ。
📖 用語解説:密閉型と開放型

密閉型:ハウジング(耳を覆う部分)が密閉されていて音が外に漏れにくい。録音に必須。
開放型:ハウジングに穴が開いていて音が外に漏れる。その分空間の広がりが感じやすく、ミックスの確認に向いている。

録音の流れについてはこちらも参考にどうぞ。

📄 関連記事を参照
第10回|歌ってみた録音簡単5step
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録音用と確認用は別物——密閉型と開放型の違い

ミックスの確認にはどんなヘッドフォンを使えばいいんですか?
理想の環境を順番に話すと、まず一番いいのが録音用ヘッドフォン・確認用ヘッドフォン・確認用スピーカーの3つを揃えること。
次が録音用と確認用ヘッドフォンの2本。
最低限は録音用1本ですべてをこなすという形だね。
録音用と確認用で別のヘッドフォンが必要な理由は何ですか?
空間認識という観点なんだよ。
空間認識とは音が鳴っている広さ・どこにどの楽器がいるかを把握する能力のことだね。
一般論としてスピーカー>開放型ヘッドフォン>密閉型ヘッドフォンの順で空間認識がしやすくなるんだ。
ミックスで空間認識が大事な理由は何ですか?
空間が認識できないとメインボーカルがステージの隅っこで歌っていることに気づかないかもしれないよ(笑)。
MDR-CD900STは単焦点カメラのイメージ。
声のディテールはよく見えるけど空間は狭い。
開放型は高解像度の広角カメラのイメージで、どこに何の楽器があって音量はどのくらいでというのが広い視野で見えるから、ミックスがやりやすいんだよ。
💡 密閉型と開放型の使い分け

密閉型(例:MDR-CD900ST):録音に必須。音漏れしない。声のディテールが見えやすい。単焦点カメラのイメージ。
開放型:ミックス確認に向いている。空間認識がしやすい。高解像度の広角カメラのイメージ。録音では音漏れの問題から使えない。

ミックスについて詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。

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第20回|歌ってみたの音量バランスってどうやるの?現場エンジニアが教えるずるいミックス方法
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せいいち先生の実際のモニター環境

せいいち先生は実際どんな環境でミックスをしているんですか?
私はあえてテンモニというスピーカーでミックスをやっているよ。
テンモニって何ですか?
YAMAHA NS-10Mという古いモニタースピーカーなんだよ。
今どきのスピーカーに比べると低音の再生がタイトでね。
低音以外のミックスをこれで作り込むと作業が速いんだ。
そのあとゼンハイザーのHD490PROで低音と高音を確認して、最後にMDR-CD900STで最終チェックしているよ。
3つも使って確認するんですね!
💡 せいいち先生のモニター環境

① テンモニ(YAMAHA NS-10M):低音以外のミックスを作り込む。作業が速い
② ゼンハイザー HD490PRO:低音・高音を確認
③ SONY MDR-CD900ST:最終チェック

初心者はここから始めよう

初心者はどこから揃えればいいですか?
MDR-CD900STから始めるといいよ。
録音に使えて、ミックスの確認にも使えるから1本でまずはOK。
予算が出てきたら次のステップに進もう。
次のステップは何を買えばいいですか?
スピーカーが買えるならスピーカー。
住宅事情などで難しければ開放型ヘッドフォンだね。
開放型は好みがあるから実際に試した方がいいよ。
Rock oNでは購入前に候補を数台送ってもらって試聴することもできるよ。
私も福岡在住だから3台ほど送ってもらって選んでいるよ。
ちなみにMDR-CD900STの断線修理もRock oNでやってもらうことが多いね。
信頼できる担当者を見つけてその人に相談するのがおすすめだよ。
💡 ヘッドフォン・スピーカーの揃え方ステップ

ステップ1(最低限):SONY MDR-CD900ST 1本で録音・確認すべてをこなす
ステップ2:スピーカーが買えるならスピーカーを追加。住宅事情で難しければ開放型ヘッドフォンを追加
ステップ3(理想):録音用ヘッドフォン+確認用ヘッドフォン+スピーカーの3つを揃える

機材全体の選び方はこちらも参考にどうぞ。

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第1回|歌ってみたを始めるのに必要な機材って何?
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✅ この記事のまとめ
  • 録音だけは絶対にヘッドフォンが必要。スピーカーから音を出すとマイクに入ってしまうから
  • 録音には密閉型が必須。開放型は音漏れが録音されてしまう
  • 空間認識のしやすさ:スピーカー>開放型ヘッドフォン>密閉型ヘッドフォン(一般論)
  • MDR-CD900STは単焦点カメラのイメージ。録音と声のディテール確認に最適
  • 開放型ヘッドフォンは高解像度の広角カメラのイメージ。ミックス確認に向いている
  • 初心者はMDR-CD900STから始める。1本で録音・確認すべてをこなせる
  • 次のステップはスピーカー(住宅事情で無理なら開放型ヘッドフォン)
  • 開放型は好みがあるので実際に試すこと。Rock oNでは購入前に候補を送ってもらって試聴できる

「自分の環境に合ったヘッドフォンを選びたい」「開放型ヘッドフォンについて相談したい」という方は、やさしいDTM道場で気軽に相談できます。

やさしいDTM道場の門をたたく

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この記事を書いた人

せいいち先生
DTMは、まず手順。
センスや感覚は、その後でいい。
1人でも多くの人と、音楽の世界を歩きたい。
わからないことは何でも聞いてください。
現役30年のプロが、あなたに伴走します。

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